子どもの能力UP

【結論】暴力的なゲームをすると攻撃性は増すのか?

こんなご質問をいただきまして。

暴力的なゲームをしても攻撃的な人間にならないとおっしっていましたが、もっと詳しく教えていただけないでしょうか。

来年の卒論のテーマなので知りたいです。

ほー。卒論という事なので、教育学部か心理学部の方でしょうかね?

確かにこの記事では、「暴力的なゲームをしても攻撃性に関係はないよー」くらいの事しか言ってませんでした。

リクエストにお答えして、今回はもう少し詳しく書いてみようと思います。

私どもが卒論作成の助けになるかどうかはわかりませんが、尽力いたします。

暴力的なゲームは悪だ!説

卒論の作成という事なので、「ゲームは悪だ!説」と「ゲームは関係ない!説」の両面を見ていく必要があるかと思います。

ので、先ずは「暴力的なゲームは攻撃性をアップさせる!」という主張を見ていきましょう。

直近でもっとも信憑性あるデータといえばやはり、以前書いた「暴力的なゲームは人を攻撃的にするのか?」です。

今回はもう少し詳しく書いていきますので、合わせて一読していただければと思います。

この研究は、メタ分析であるため、信頼性としては結構高いです。

上のリンクから見ていただければと思いますが、人種・民族によって結果が違っていたんですな。

人種別の効果量の差は以下の通り。

で、全てをひっくるめた暴力的なゲームの効果量はというと、

  • 効果量=0.078〜0.080

これをどう見るかは結構難しいです。効果量の基準は決まってませんけど、0.4が中程度の効果くらいとお考えください。

とすると、関係ないに等しいとも言えそうなもんですが。

研究者いわく、

このメタ分析に基づくと、暴力的なゲームをプレイする事は、過去の攻撃性を考慮した上でも、後の高いレベルの攻撃性と関連づけられるといえる。

「確かに効果量は小さいけど、一貫した傾向があるんや!」とおっしゃってまして。

まぁ、そうなのかなぁ…?って感じです。

個人的には効果量の0.2以下だと考慮に入れない事が多いんですけど。うーん、難しい。

暴力的なゲームをしても問題ない!説

お次は「ゲームをしても関係者ない!」側の主張をご紹介。

否定側がメタ分析だったので、肯定派は3つの研究で反論してみようかと思います。

ヨーク大学の研究

2778人を対象に、暴力的なゲーム(実験では傭兵になって戦地に赴くというもの)をプレイさせた後、アナグラムを受けさせたんだと。

結果は、

  • 暴力的なゲームをしてもしなくても暴力性のプライミングは確認されなかった!

 

プライミングとは事前情報によって後々の行動に影響が出るというもので、例えば有名どころで言えばこんな事が分かってます。

  • 「白髪」・「シワ」といった老人に関する単語を見せると、歩くスピードが遅くなった!

とか。これは、老人=ゆっくりというイメージが活性化し、行動に影響した事例です。

「暴力的なゲームをすると暴力的になる!」って主張も、プライミング効果が故に言われているんですな。

が、それが見られなかったんだ、と。ただこれ成人を対象とした研究なので、子どもだとどうなるかは不明。

マックスプランク人間開発研究所

18歳から45歳の男女77人を集め、

  • 暴力的なゲームをプレイ(研究ではグラセフⅤ
  • 非暴力的なゲームをプレイ(研究ではシムズ3
  • なんのゲームもプレイしない

 

の3つに分け、8週間プレイ(プレイ時間の平均は35時間)させたのち、2ヶ月後に暴力性を測るテストを受けさせたそうな。

結果は、統計的に有意な差はなし!となりました。研究者いわく、

2ヶ月にわたる広範囲なゲーム介入が、攻撃性、共感能力、対人関係、衝動性、抗うつ性、不安症、実行機能に影響がなかった事が判明した。

さらに、

暴力的なゲームにおける影響の大部分は、プライミング効果によって引き起こされているが、これは短期的なものに過ぎない。

暴力的なゲームにおける長期的な影響はないんだ、と。ヨーク大学の研究では、暴力的ゲームのプライミング効果はない!って事だったので、いよいよ怪しくなってきました。

ドイツの研究

最後は、脳科学の観点から見て終わりにしたいと思います。

この研究では、過去4年間に毎日少なくとも2時間の暴力的ゲームをした人を15人を集め、ランダムに画像を見せたんだと。

それをfMRIを使い、脳の変化を追跡調査したんですな。

見せた画像はこんな感じ↓

プライミングの影響を考慮し、実験の3時間前にはゲームをしないようにしてもらっております。

ので、暴力的なゲームが長期的にどんな影響を及ぼしているかを調べた貴重なデータですな。

結果は、

  • 日頃から暴力的ゲームをしていた人と非ゲーマーとの差はなし!

暴力的な画像を見ると、非ゲーマーの人達と同様に共感した時に活性化する脳の部分が活性化していたんですな。

脳を見ても影響は確認されなかったんだ、と。

まとめ

教育に応用すると?

①暴力的なゲームをすると攻撃性が増すが、影響としては微々たるものなので、無視してもいいレベル。個人主義ではない日本だとなおさら。

 

②暴力的なゲームによる悪影響は短期的である。これはプライミング効果による事が大きいためだ。しかし、暴力的なゲームによるプライミング効果も小さい。

 

③長期的に見ると、暴力的なゲームをプレイしようとも、攻撃性な人間になるとは言えないだろう。

 

調べていて、個人的には「無視して好きなゲームやれば?」って感じの印象を受けました。

卒論の作成に役立つかはわかりませんが、参考になれば幸いです。

 

って事で、暴力的なゲームをしても問題ないよ!って話でしたー。

 

 

あなたならこの知識をどのように活用しますか?下記のコメント欄から、あなたが考えた応用法を是非とも教えて下さい!

 

この記事が少しでも役に立ったらボタンを押してフォローしていただけると励みになります。よろしくお願いいたします!!⇩⇩⇩

Twitterをフォローする

・Anna T. Prescott, James D. Sargent, and Jay G. Hull(2018).Metaanalysis of the relationship between violent video game play and physical aggression over time

・David Zendle, Daniel Kudenko, Paul Cairns.(2018).Behavioural realism and the activation of aggressive concepts in violent video games

・Simone Kühn, Dimitrij Tycho Kugler, Katharina Schmalen, Markus Weichenberger, Charlotte Witt & Jürgen Gallinat (2018).Does playing violent video games cause aggression? A longitudinal intervention study

・Gregor R. Szycik, Bahram Mohammadi, Thomas F. Münte and Bert T. te Wildt(2017).Lack of Evidence That Neural Empathic Responses Are Blunted in Excessive Users of Violent Video Games: An fMRI Study

Technology photo created by freepik – www.freepik.com

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。