教師向け

テクニックを組み合わせると成果は倍増するのか?いいえ、むしろゼロになります。

27歳の小学校教員さんからこんな質問を頂きました。

最近このサイトを見つけました。科学的な根拠に基づいた記事が沢山あって、参考になってます。

そこで質問なんですが、紹介されているテクニックを組み合わせると効果は倍増したりするのでしょうか。

ありがとうございます!これからもどうぞご贔屓に(笑)

では、質問のお答えですが、組み合わせてもいいです。ただし、注意点があります。

沢山のテクニックを使っても成果は変わらない

参考になりそうなのが、シカゴ大学らから2015年に出た論文。

この研究では、家庭のエネルギー消費率を減らすのに効果的なテクニックを調べたんですな。

どんな結果になったのかを並べますと、

  • 「お宅は近隣の家庭よりもエネルギー消費量が多いですね」と伝えられた家庭はエネルギー消費量が6%減った!
  • 「エネルギー消費量を減らしてくれたら1万8000円差し上げますよ!」と伝えられた家庭はエネルギー消費量が8%減った!

とか。どちらのテクニックもそれなりに効果があったんだと。

で、研究者らは「ならこの2つのテクニックを組み合わせたらさらにエネルギーの消費量が減るんじゃないの?」と考えて、

  • 「お宅は近隣の家庭よりもエネルギーを沢山使ってますよ!もし、エネルギーの消費量を減らせたら1万8000円差し上げます!」

と、2つを合わせたメッセージを伝えてみたところ、

  • エネルギー消費量は全く変わらなかった!

 

という衝撃の結果に。なんとテクニックを組み合わせると成果が出なくなっちゃったんですな。

なぜテクニックを組み合わせると成果が出なくなるのか?

詳しいことはわからないものの、

  • テクニックが干渉しあって効果を打ち消してしまったから
  • 情報量が増えるほど1つ1つに向き合う時間が減り、考慮に入れられなくなるから

が主に考えられます。今回の例でいえば、

みんなよりもエネルギー消費量が多い、というメッセージは「社会の中で良い振る舞いをしたい」という心理を刺激するテクニック。

それに対し、エネルギー消費量を減らせばお金をあげる、てのは「富を最大化したい」という利己的な心理を刺激するテクニックなんですな。

これを同時に伝えられると、「お金は欲しいけど、私だけもらっていいのかしら…」と葛藤が生じ、結果として何もしない。となる訳です。

 

もう一つの、情報量が多くなると考慮に入れなくなる、ってのはなんとなくわかるでしょう。

例えば、「この映画の面白い所は3つあってね…」と言われれば魅力は伝わってきますが、「この映画の面白い所は100個あってね……」と言われると、なんかよくわからん!ってなりますからね。

テクニックが増える分子ども達に説明する事が増えるでしょうから、その分効果も薄くなる恐れがあります。

例えば、「罰を増やすと罪を重く感じにくくなる」ってのもまさにコレ。

少し前にも、「一度に4つ以上の情報を伝えると記憶に残らない!」なんて研究を紹介した事がありますから、ありえそうな話。

まとめ

教育に応用すると?

①複数のテクニックを使う際には、補完し合うものどうしを組み合わせよう!

Ex:「テストの点数が良ければお小遣いをあげる!」と言いつつ、「あの子も勉強しているよ」とは言ってはいけない。

 

②テクニックが増えると頭で処理する情報が増えてしまい、思うほど効果が出なくなる。

 

③1度に1つがベスト。慣れてきたら増やす、でいい。

 

まぁ、当ブログも400弱の教育方法をご紹介してますからねー。あれもこれもやりたくなってしまう気持ちはわかります(笑)

とりあえず、1つずつ試していただいて、成果が出だしたら増やすってのでいいかと。

 

って事で、テクニックの組み合わせにはご注意を!って話でしたー。

 

 

あなたならこの知識をどのように活用しますか?下記のコメント欄から、あなたが考えた応用法を是非とも教えて下さい!

 

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Paul Dolan and Robert Metcalfe(2013).Neighbors, Knowledge, and Nuggets: Two Natural Field Experiments on the Role of Incentives on Energy Conservation

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