教師向け

やり抜く力GRIT(グリット)を伸ばしても学業成績は上がらないし、人生で成功もしない

先日、書いた記事の中で、「グリットはあんまり信じなない方がいいよー」って事をチラッと書いたんですな。そしたならこんな質問を頂きまして、

グリットが意味ないって本当ですか?

関連本をいくつか購入した身からすれば信じられないのですが・・・

グリットは子供たちの成長を助ける概念だと思うのですが。

ブログ主様がグリットを否定する理由を詳しくお聞かせ願います。

日本でもプチブームが到来したので、グリットを支持する教育者も多いのではないでしょうか。

「やり抜く力を伸ばせば成功する!」っていかにも教育関係者が好きそうなフレーズですからね。という事で、「グリットってどうなのよ?」って話でも。

グリットを伸ばす意味はあるのか?

グリットの本を読んでいない人の為に、軽くおさらいしておきますと、

グリット

物事をやり抜く力・困難に耐え抜く力の総称。グリットが高い人ほど成功者になりやすいと言われている。

また、厳しい事で有名なアメリカ陸軍のトレーニングに耐え抜いた人は皆、グリットが高かった。その為、「人生の成功にはグリットが重要なのではないか?」との声がある。

そうかもなーって感じですよね。私もグリットが発表された時には「グリットが重要かも!」と思った覚えがあります。

ただ、近年はグリットに不利な風向きでして、例えば2016年にキングスカレッジロンドンから出た論文(①)を見てみましょう。

4500人の双子を対象に、「グリットで学業成績は予測できるのか?」ってのを調べたんですな。

双子は同じ遺伝を持っているので、純粋にグリットの要因を調べる事ができます。

ちなみに、グリットの本にも「グリットが高い子は学業成績もいい!」なんて話が出てきていますので、その真偽を確かめた研究とも言えますな。

で、結果はと言うと、

  • グリットでは学業成績を0.5%しか予測できない!

うーん…これくらいだと「グリット大事!」とは言えないかと…しかも、

  • グリットの三分の一は遺伝で決まる!

みたいなんですよ。ちょっとやるせない気持ちになりますね…

質の高い研究でグリットが否定されちゃった

私がグリットをそこまで信じてないのは、2016年にアイオワ州立大学から出た研究(②)が原因です。

この研究は、グリットに関する88個の研究を分析したいわゆるメタ分析。信頼性の高ーい情報を教えてくれる物なんですな。

で、導き出された結論はと言いますと、

  • グリットを伸ばして学業が成功する(相関0.18)
  • グリットは心理学で言う「誠実性」と同じ

相関が0.1代だとほぼ無視してもいいレベルなので、「グリットを伸ばそう!」とは言えないかと…

あと、グリットは誠実性と同じ事じゃないの?って話も出ていて、

グリットを測る質問を見ると、これらがビッグファイブの一つである「誠実性」を測る時とほとんど同じである事がわかる。

(中略)

グリットとは言わば、誠実性を言い換えただけに過ぎず、なんら新しいものでもない。

「グリットって、ただ真面目な人を言い換えただけじゃないか?」とな。ビッグファイブって何?という方は、下のリンクへどうぞ。

商業的には上手い戦略だけど、なんら新しいものでもないんだと。

ちなみに、グリットの説明時に出てきた陸軍のお話ですが、ちゃんと調べたらグリットが高くても達成率は3%しか改善していなかったみたいです。

勉強の習慣付け、テストへの不安対策、授業の出席率の改善、などの他の要因の方が、グリットよりも学業的成功と強く関連している。

グリットよりもまず手をつけるべきところがあるんだ、と。

まとめ

教育に応用すると?

①グリットを伸ばしても学業成績が劇的に上がるわけではない。

 

②グリット=誠実性(真面目さ)なので、なんら新しい概念でもない。

 

③グリットよりも改善すべきところがある。グリットを伸ばすのに時間をかけるのは最後でいいかも。

グリットを盛大にディスってしまったので、少しグリットの名誉のためになる話でも。

グリットって「忍耐力」と「継続」が合わさった概念なんですな。オハイオ州立大学の研究者も、

  • グリットは意味ないかもだけど、「忍耐力」と「継続」を分けて見れば価値があるかもね!

とおしゃっていまして。例えば、高校生の成績を予測した研究だと、

  • グリットでは成績を予測できなかった
  • しかし、「忍耐力」に絞って見てみると、高い成績を予測できていた!

らしいんですよ。なので、「困難に耐え抜く能力」は伸ばしておくといいかもですね。

 

って事で、グリットを伸ばしても成功しないよ!って話でしたー。

 

 

あなたならこの知識をどのように活用しますか?下記のコメント欄から、あなたが考えた応用法を是非とも教えて下さい!

 

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①Kaili Rimfeld, Yulia Kovas, Philip S. Dale and Robert Plomin(2016).True Grit and Genetics: Predicting Academic Achievement From Personality.

 

②Credé, Marcus Tynan, Michael C. Harms and Peter D.(2016).Much ado about grit: A meta-analytic synthesis of the grit literature.

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